「もう少しカッコよくしてください」
「今っぽく、おしゃれに見せたい」
デザインの打ち合わせで、よく出てくる言葉です。
もちろん、“かっこよさ”は大事です。
でも、それだけがデザインの目的になってしまったら、本当に伝えたいことが埋もれてしまうかもしれません。
⸻
私たちは日々、ロゴ、チラシ、ホームページ、パンフレットなど、さまざまな制作に携わっています。
その中で常に意識しているのは、「見せる」ではなく「伝える」こと。
たとえば、ある工務店のチラシを作るとき。
ただ写真を並べて、流行のフォントでまとめるだけでは、かっこよくても「何をしている会社なのか」「どんな人に向けているのか」が伝わらないことがあります。
デザインとは、言葉にならない“らしさ”をかたちにすること。
そして、誰かの心にすっと届くように整えることです。
⸻
かっこいいだけの広告よりも、「あ、これ、なんかいいな」と思わせるもの。
そこには、**“しっくりくる温度感”**があります。
それは配色だったり、写真だったり、レイアウトだったり、ほんの少しの余白だったり。
デザインとは、そうした細部を積み重ねて、ブランドや人の“らしさ”をにじませる仕事でもあります。
見た目のインパクトより、信頼感、親近感、安心感を与えること。
それが、郊外エリアのような“人との距離が近い場所”では特に重要です。
⸻
ある地元の整骨院様のリブランディングで、ロゴを刷新することになりました。
当初は「都会的でシャープな印象」にまとめようとされていましたが、
じっくりお話を伺う中で見えてきたのは、「患者さんとの距離が近く、安心して話せる空間を大切にしている」という想いでした。
そこで私たちは、少しラフで手書き風のロゴをご提案。
やわらかく、親しみがありながら、整っていて信頼も感じられる。
それがその院の“らしさ”だったからです。
「正直、最初はもっとスタイリッシュなものを想像していたんですが、このロゴを見たとき、“これだ”と思いました。
自分たちの空気感がそのまま形になっているようで、とても気に入っています。」
そんな言葉をいただけたとき、私たちも「デザインが伝わった」と感じました。
⸻
流行を追っただけのデザインは、時間が経てば古くなります。
でも、「その会社らしい」「その人らしい」デザインは、ずっと使い続けられる、強さがあります。
かっこいいだけが正解ではない。
見た目だけでは測れない、**“想いが届くデザイン”**を一緒に考えてみませんか?